裏声の出し方と、地声との切り替え換声点をなめらかにつなぐ練習
高いところで、声が急にひっくり返る。裏声を出そうとしても、かすれたり、細くなったりする。
この記事では、裏声の出し方と、地声とのつなぎ方を順番に紹介します。
サビで声が裏返って、恥ずかしい思いをした。裏声を使えば高い音は出るのに、地声から移るところで段差ができてしまう。
こうした悩みは、裏声そのものよりも、地声との「つなぎ目」で起きていることが多いようです。まずは裏声を楽に出すところから、つなぎ目の練習へと進んでいきましょう。
裏声は「力を抜く」から始める
裏声(ファルセット)は、高い音でふわっと軽く抜けるような声です。地声と同じように力を入れると、かえって出にくくなることがあります。
最初は、次のような「力の入りにくい声」から試してみてください。
- ため息の声:「はぁー」と、高いところから力を抜いて息を吐くように声を出す
- フクロウの声:「ほー、ほー」と、口をすぼめて軽く出す
- 驚いたときの声:「えっ?」と、少し高めに短く出す
どれも、のどを締めずに出しやすい声です。
出てきた高い声が細くても、かすれていても、最初はそれでかまいません。「この感じが裏声なんだ」と分かることが、最初の一歩になります。
換声点を見つける
地声から裏声に切り替わるあたりの音を、換声点(かんせいてん)と呼びます。声が裏返りやすいのは、このあたりです。
- 地声で、楽な低い音から「あー」と半音ずつ上げていきます。
- 声が裏返る音、または急に苦しくなる音を覚えておきます。
- 裏声で、高いところから「ほー」と半音ずつ下げていきます。
- 裏声が出にくくなる音、地声に戻りたくなる音を覚えておきます。
2と4の音の近くが、あなたの換声点です。換声点は1つの音で決まるというより、数音の「幅」があることが多いです。
自分の地声と裏声の範囲を、まとめて確かめることもできます。
切り替えをなめらかにする練習
換声点の場所が分かったら、そのまわりで練習します。ねらいは、切り替わるときの段差を少しずつ小さくすることです。
| 段階 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 換声点の少し下から上へ、「ほー」とすべるように上げる | 音を区切らず、サイレンのようにつなげる |
| 2 | 同じ範囲を、上から下へすべるように下げる | 裏声から地声に戻るところを、ゆっくり |
| 3 | 「う」の口で、段階1と2をくり返す | 口を小さくすると、段差が目立ちにくいことがある |
| 4 | 「う」から「お」「あ」へ、口の形を変える | 慣れてきたら、歌に近い母音で試す |
| 5 | 小さな声のまま、半音ずつ区切って上げ下げする | 区切っても段差が小さく感じられるか確かめる |
ポイントは、声を小さめに保つことです。
大きな声で切り替えようとすると、地声の力が残ったまま裏声に移ることになります。そうすると、段差が大きくなりやすいです。
リップロール(唇を軽く震わせて「ぷるるる」と出す練習)も、切り替えの練習によく使われます。唇が震えている間は、のどに力が入りにくくなります。
すべるように上げ下げする段階1・2で試してみてください。
声のタイプによる違いと、曲で使うとき
換声点の高さは、声のタイプによって違います。
低めの声の人は、換声点が比較的低いところに来やすく、曲のサビがちょうど換声点に重なることがあります。曲で歌うときは、キーを少し下げて、換声点を避ける方法もあります。(カラオケでキーを下げるのは恥ずかしくない)
ふつうの声の人は、換声点のあたりを行き来するメロディで、裏返りやすいことがあります。その数音だけを取り出して、段階1〜5をくり返すと練習しやすくなります。
高めの声の人は、裏声は出やすい一方で、地声との段差が大きく感じられることがあります。段階3の「う」の口で、段差を小さくする練習を多めにする方法があります。
曲で使うときは、「どこで裏声に切り替えるか」を先に決めておくのも一つの手です。切り替える場所を決めておくと、急に裏返るよりも、意図して切り替えているように聞こえやすくなります。
続けるときの注意
地声と裏声のつなぎを、さらになめらかにしたい人は、ミックスボイスとはも読んでみてください。
のどの痛みや声のかすれが続くときは、練習を止めて、耳鼻咽喉科などの医療機関に相談してください。
まずは、自分の地声と裏声がどこまで出ているかを測ってみましょう。
ひとりで練習しても変化が分かりにくいときは、先生に声を聞いてもらう方法もあります。